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美術 ハマスホイとデンマーク絵画 魅了する静まり返った室内 簡潔な印象が際立つ風景画=石川健次

ヴィルヘルム・ハマスホイ 《室内》 1898年 スウェーデン国立美術館蔵 Nationalmuseum, Stockholm Photo: Nationalmuseum
ヴィルヘルム・ハマスホイ 《室内》 1898年 スウェーデン国立美術館蔵 Nationalmuseum, Stockholm Photo: Nationalmuseum

 聞きなれない名前かもしれない。デンマークの画家、ヴィルヘルム・ハマスホイ(1864~1916)である。印象派に続いてポスト印象派が登場し、さらにフォーヴィスムやキュビスムなど新たな動向が多彩に展開していた1900年前後のヨーロッパ、ハマスホイは首都コペンハーゲンでそうしたメインストリームの喧騒(けんそう)から離れ、北欧のやわらかな光が射(さ)しこむ静まり返った室内や後ろ向きの女性を黙々と描き続けた。

 没後、喧騒から置いていかれたように一時、時代遅れとみなされたが、90年代以降になって欧米の美術館で次々と展覧会が開かれるなど再評価が進み、日本でも2008年に初めての展覧会が開かれた。初めてその名に触れ、にわかにファンとなった私にとっても、日本初公開を含むハマスホイの作品約40点が集う本展は待望の機会だ。

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