過去最多の社債デフォルト 政府系企業にも連鎖=神宮健
中国では社債のデフォルト(債務不履行)が常態化している。報道によると、2019年にデフォルトに陥ったのは178件で、金額は約1424億元(約2・2兆円)に上った。件数・金額とも18年を上回り、過去最多となった。
背景には、景気鈍化の影響に加えて、金融・債券市場におけるリスク回避がさらに強まったことがある。17年以降、金融当局の金融リスク防止・解消政策を受けて、金融機関のバランスシートには縮小圧力がかかり、信用力の低い中小企業・民営企業に資金が流れにくくなっていた。
加えて19年5月には内モンゴル自治区の包商銀行が信用危機に陥り、公的管理下に置かれた。大口預金の一部が返済されないことになったため、暗黙の元利保証信仰が揺らいだ。市場における信用収縮圧力はさらに強まり、しわ寄せが信用の高くない民営企業で特に顕在化した。19年に新たにデフォルトした企業38社のうち34社は民営企業である。
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週刊エコノミスト
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