国際・政治チャイナウオッチ 中国視窓

習政権揺るがす新型肺炎 対応誤れば政治不安定化も=金子秀敏

対策に失敗すれば「終身最高指導者」の地位も揺らぎかねない(Bloomberg)
対策に失敗すれば「終身最高指導者」の地位も揺らぎかねない(Bloomberg)

 2020年の冒頭から、ありえない事が起きてしまう「ブラックスワン現象」が起きた。春節(旧正月)休みを前に、湖北省武漢市で新型コロナウイルスによる肺炎感染が拡大した。

 習近平国家主席が一番恐れていたブラックスワンだ。ウイルスの制圧に失敗すれば、習主席への不満が高まって2年後の共産党20回大会で終身最高指導者の地位を確立できないかもしれない。

 習主席は昨年1月、共産党中央政治局会議で「ブラックスワンと灰色のサイ(身近な危機の暴発)に警戒せよ」と指示した。米中貿易戦争の影響で景気が悪化し、失業問題や地方債務危機が深刻化して社会秩序が乱れることを恐れた。

残り981文字(全文1258文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事