習政権揺るがす新型肺炎 対応誤れば政治不安定化も=金子秀敏
2020年の冒頭から、ありえない事が起きてしまう「ブラックスワン現象」が起きた。春節(旧正月)休みを前に、湖北省武漢市で新型コロナウイルスによる肺炎感染が拡大した。
習近平国家主席が一番恐れていたブラックスワンだ。ウイルスの制圧に失敗すれば、習主席への不満が高まって2年後の共産党20回大会で終身最高指導者の地位を確立できないかもしれない。
習主席は昨年1月、共産党中央政治局会議で「ブラックスワンと灰色のサイ(身近な危機の暴発)に警戒せよ」と指示した。米中貿易戦争の影響で景気が悪化し、失業問題や地方債務危機が深刻化して社会秩序が乱れることを恐れた。
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週刊エコノミスト
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