教養・歴史書評

アメリカ 静かに読まれる知的で鋭いトランプ政権批判=冷泉彰彦

『ワシントン・ポスト』紙のベテラン記者でピュリツァー賞を受賞しているキャロル・レオニグ記者と、同紙のホワイトハウス首席記者のフィリップ・ラッカー氏との共著によるトランプ批判本『ブレない天才、ドナルド・J・トランプによって試されるアメリカ("A Very Stable Genius:Donald J.Trump's Testing of America")』が売れている。

 トランプ批判本としては、マイケル・ウォルフの『炎と怒り』や、ボブ・ウッドワードの『恐怖の男』など、数々ベストセラーとなっている。その多くは、大統領に近い関係者、政権内部の証言者などに取材して、新事実を明らかにする「暴露本」という体裁を取っていた。こうした一連の暴露本は、政権内部で起きたことをスキャンダラスに暴くだけで、トランプ政権の本質を評価するには至っていなかった。

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