国際・政治論壇・論調

英とEUの第2段階協議 前哨戦の漁業交渉で難航か=増谷栄一

ジョンソン首相が中国ファーウェイの英国市場参入を認めたことも影響か(Bloomberg)
ジョンソン首相が中国ファーウェイの英国市場参入を認めたことも影響か(Bloomberg)

 英国は1月31日、1973年のEU(欧州連合)加盟以来47年ぶりにEUから正式離脱した。この日、ジョンソン英首相は首相官邸の外壁にビッグベン(国会議事堂の時計台)と英連邦のユニオンジャック旗を映し出し、EU離脱のカウントダウンを演出した。一方で、英国から独立し、EU残留を主張し続けるスコットランド自治政府のスタージョン首相(スコットランド民族党党首)はツイッターで、「独立国としてEUの中心に戻る」と誓うなど悲喜こもごもの離脱日となった。

 今後、英国とEUは「EUとの将来の関係(自由貿易協定)」の大枠を示す政治宣言案に従って、3月3日から自由貿易協定(FTA)の締結に向けた第2段階協議に入る。しかし、FTA交渉開始の前提条件となっている新漁業協定の締結を巡る両者の主張の隔たりが大きい。また、ジョンソン首相が中国通信機器大手ファーウェイ(華為技術)に英国の5G(第5世代移動通信システム)市場への参入を容認したことを受け、英国メディア…

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