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世界の中国依存が直面する危機=市岡繁男

 中国の今年1月の消費者物価指数(CPI)は前年比5・4%と2011年10月以来の高い伸びだった。なかでも消費者支出の多くを占める食品物価は前年比20・6%も上昇した。これは新型肺炎の流行で生産や輸送に影響が生じたからだ。だが当局が都市を閉鎖し、工場の操業を停止したのは主に2月になってからだ。マスクが高額で販売される様子をみると、今回の物価上昇はまだ始まったばかりだろう。

 さらにこうした状況が長引くなら、共産党の一党独裁体制を揺るがす要因となりうる。1989年6月4日の天安門事件はCPIが28%まで上昇した直後に起きているからだ(図1)。

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