国際・政治ワールドウオッチ

ブラジル 時代遅れのオートサロン=美代賢志

バスなどの公共交通機関も、依然として重要な移動手段として利用され続けている(筆者撮影)
バスなどの公共交通機関も、依然として重要な移動手段として利用され続けている(筆者撮影)

 今年11月に開催予定のサンパウロ・オートサロンが苦戦している。BMWとトヨタ、ゼネラル・モーターズが出展を見合わせると発表したためだ。

 背景には市場の変化がある。ブラジルでは、自動車に対して欧州並みの厳しい安全基準の導入を進めており、国内で需要が高い「安全性を犠牲にしたぶん、安価」というモデルが作りにくくなっている。

 一方で、通常のモデルを購入するには、コスト面で高いハードルがある。例えば、中型セダンを購入する場合、車体価格に約250万円かかる。3年後に4割の値段で販売できたとしても、保険と税金を考慮すれば、運転しなくても1年当たり約46万円のコストとなる。労働者1人の月間所得平均が約5万円の国では、厳しいのが現実だ。

残り200文字(全文514文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事