『7つの階級 英国階級調査報告』 評者・浜矩子
著者 マイク・サヴィジ(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授)ほか研究者グループ(共著者) 訳者 舩山むつみ 東洋経済新報社 2800円
エリートと貧困労働者の深すぎる二つの断絶描く
1960年代、少女時代の評者が英国に住んでいた時、そこには階級社会があった。上流階級・中産階級・労働者階級。仕切り線は明確で、住み分けは完璧だった。お互いに、垣根の向こう側を眺めながら、居心地よく暮らしていた。
ところが、いまや英国的階級社会の構図は一変している。そのことを、本書が克明に語り込んでいる。本書は、英国の今日的階級社会に関する大々的な実態調査の結果に基づいている。回答率の高さと、そこに表れた21世紀英国社会の多層性と複雑さが大反響を呼んだ。
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週刊エコノミスト
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