石油優位から金優位の時代へ=市岡繁男
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3月9日のWTI原油先物価格は前日比32%も暴落し27ドルとなり、2016年2月以来の安値となった。石油関連企業の担保価値は一夜にして3割も目減りし、破産の危機に瀕(ひん)している会社もあろう。同業界の相対株価はこの8年間で75%も下落していたが、今回の原油暴落で、エネルギー企業が発行する低格付け債(ジャンク債)と国債の利回り差(信用スプレッド)も急拡大している(図1)。
昨年12月、アル・ゴア元米副大統領は「資産規模22兆ドル(約2200兆円)の石油業界はバブル崩壊の危機にある」(英『フィナンシャル・タイムズ』紙)と警告したが、それがいま現実になりつつあるのだ。
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週刊エコノミスト
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