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次は中南米債務と欧州銀行危機=市岡繁男

 米サザン・メソジスト大学のラビ・バトラ教授は、1987年に出版の『1990年の大恐慌』(邦訳は頸草書房)で世界的な株価暴落を予測し、少なくとも日本株については的中した。また99年の邦訳書『大予測・世界経済』(たちばな出版)では、「賃金が生産性より低いため、生産と消費の需給バランスは借入金増加でしか維持できない。その需給ギャップが表面化すると、株価は下落し景気後退は不可避となる」と記し、それは2008年にリーマン・ショックとなって顕在化した。

 さらにその処方箋として「各国は赤字財政、通貨供給拡大で対処するが、海外マネーに依存する債務国の通貨は暴落しインフレになる」と予測した。量的緩和策で問題を先送りしても、新興国の債務危機発生でより一層、事態が悪化するというのだ。

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