教養・歴史学者が斬る・視点争点

政治に振り回されないデータ共有=渡辺真理子

     中国の専制体制は、感染症の危機対応に向いているのではないか──。今回の新型コロナウイルスへの対応を巡り、こうした指摘が出ている。確かに、強権的な専制体制が迅速で徹底した都市封鎖につながり、一定の効果を上げた。ただ、専制体制が危機対応に向いているというのは、果たしてそうか。

     未知の感染症が広がっていく中では(1)未知のウイルスについての情報の蓄積、(2)感染を抑制する権力──が必要だ。今回は前者、情報とその基となるデータがどう共有されていったかを考えたい。

     中国に端を発したこの未知の感染症がどんなウイルスなのか、医療はどう対応したらいいのか、といった情報は、多様なプラットフォームを通じて世界に伝わった。この情報の流れが、グローバルな対応策の構築を支えている。政治による情報統制であつれきはあったものの、必要で正確な情報はデジタル世界のプラットフォームや、研究者が自由に利用できるオープンソースのサイトによってスピーディーに世界に共有された。

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