教養・歴史書評

弟に笑顔を取り戻したい 異様な家族と闘う少女=楊逸

    『本当の人生』
    『本当の人生』

    ×月×日

     新形コロナウイルスの感染拡大を恐れて、春休みのスペイン旅行をキャンセルし、家に籠もる日々。おかげでゆっくり読書を楽しめる。

    『本当の人生』(アドリーヌ・デュドネ著、東京創元社、1600円)を読む。ベルギー人の著者がベルギーの片田舎を舞台に書いた長編小説、という紹介に興味を持ち、手に取った一冊。どことなく珍しく、知らない世界を見せてくれるのでは? と期待して読み出したら、見事に勘が当たった。

     森と畑が広がる郊外に、凶暴な父、頼りのない母、いつも乳歯を見せて笑う弟のジル、そしてヤギと愛犬のドフカと一緒に暮らす「わたし」は、10歳の女の子。チャイコフスキーの「花のワルツ」が聞こえると決まって弟を連れてアイスクリームを買いに行く。そんなある日、弟の手に渡されたバニライチゴのアイスを見ながら自分も注文しようとしたその時、突然クリームホイッパーが爆発し、まさか! アイスクリーム売りのおじさんの…

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