高齢化で不足する年金財源 コロナで国有株注入が加速=神宮健
中国では新型コロナウイルス対策がきっかけとなり、不足する年金財源に国有株を注入する動きが加速している。
新型コロナの感染が拡大した今年2月、負担軽減策として企業の年金保険料納付が減免された。これにより、公的年金の収入は約4700億元(約7・1兆円)減ってしまうため、中国財政省は、中央財政からの補充を増やしたり、国有資本の注入を加速したりすることで年金の財源を強化する措置を発表した。
1990年代に作られた現行の公的な従業員年金制度は、当初の制度設計の問題や高齢化で、何もしなければ早晩、資金不足に陥ると早くから懸念されていた。2019年末で5兆元(約75兆円)以上あった累積余剰は、各種推計によって時期は異なるものの、30年代半ばまでには底をつくと予想されている。
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週刊エコノミスト
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