農業への“てこ入れ”再始動 日本企業にも広がる商機=真家陽一
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「新型コロナウイルス感染症の予防・抑制と農業・農村の発展を推進し、『三農』活動の目標実現に力を振りしぼれ」。4月2日に開催された常務会議で、中国の農業政策を担う韓長賦・農業・農村相はこう檄(げき)を飛ばした。
「三農」とは、中国における「農業」の低生産性、「農村」の荒廃、「農民」の貧困という「三つ」の構造問題を指す。中国共産党と国務院は2月5日、国政の最優先政策課題を示す「中央1号文件」に17年連続で三農問題を取り上げた。小康社会(いくらかゆとりのある暮らし)の全面完成に向け、「貧困脱却」と「三農分野の弱点補強」の2大重点任務を打ち出した。習近平国家主席は「農村の貧困脱却を2020年までに実現することは党中央の全人民に対する厳粛な約束であり、必ず実現しなければならない」と強調している。
年明けから新型コロナ問題への対応に追われていたものの、もともと今年の経済社会政策の最重点は、昨年12月に北京で開催された中国共産党の重要会議「中央経済工作会議」で決定された「小康社会の全面的完成」だ。震源地とされる湖北省武漢市の事実上の封鎖措置が4月8日に解除されるなど、新型コロナ問題が収束に向かう中、中国政府は今年の政策課題への取り組みに動き出している。
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週刊エコノミスト
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