映画 精神0 引退する医師と認知症進む妻 「観察映画」が12年ぶり続編=勝田友巳
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想田和弘監督は、「観察映画」と名付けた独特のドキュメンタリーを作り続けている。自身で「十戒」を定めていて、リサーチはしない、行き当たりばったりでカメラを回す、ナレーションなどは使わない──など、普通のドキュメンタリーの作りとは正反対。観客に判断を委ねることが目的だ。米国のドキュメンタリーの大家、フレデリック・ワイズマン監督の手法にも通じている。
「精神0」はその第9弾。2008年に発表した「精神」の続編的な作品だ。観察されるのは、岡山市の精神科医、山本昌知さんである。同市の精神科診療所「こらーる岡山」にカメラを向けた「精神」で、診察に当たっていたのが山本医師だ。こらーる岡山の閉鎖後も診療を続けたが、80歳を超えて引退することになり、想田監督が駆けつけたのである。
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週刊エコノミスト
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