美術 ふつうの系譜 「奇想」があるなら「ふつう」もあります 京の絵画と敦賀コレクション=石川健次
有料記事
「奇想」を傍流にした当代の主流 平凡とは違う「古くから愛された美」
言ってみれば、どこにでもあるような並の系譜を紹介する展覧会だと宣言している。タイトルをふつうに解釈すれば、そうだろう。作品は平凡、それゆえ無名な系譜、流派が並んだ会場を想像したとすれば、大間違い。むしろ当代を代表する画家、流派が並んでいるからややこしい。
昨今、伊藤若冲(じゃくちゅう)ら“奇想の画家”が人気だ。グロテスクなど表現が余りに斬新、自由過ぎて、従来の美術史では傍流扱いされた江戸時代の画家を「奇想」というキーワードで評価し、展覧会や出版が相次いだこともあって本来の魅力が広く知られ、人気はうなぎ上りだ。
残り1022文字(全文1313文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める