“DX”で交わる「デジタル」と「伝統」=立本博文
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デジタル技術の浸透によって、それまでの垂直統合型、いわゆる縦型の産業構造が、水平分業型(エコシステム型)の横型への構造変化を引き起こした。これがDX(デジタルトランスフォーメーション)の成り立ちだ。DXは「デジタル技術の浸透が、生活や産業などのあらゆる分野をより良い方向に変化させる」という概念である。1990年代にコンピューター業界を舞台に初めて起こった、DXによる産業構造の変化は、コンピューター業界を飛び出し、他分野にも広がっている。
図1は、産業構造の変化を端的に示したものだ。デジタル産業はIT技術が強く影響する新しい産業グループ(青線の円に属する産業)、伝統的産業は従来の伝統的な製造業を中心とする産業グループ(黒線の円に属する産業)である。
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