論理と倫理と語りで支持高まるNY州知事=高井裕之
古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、敵を倒した者より、自らの欲望を克服した者が真の勇者であると述べた。新型コロナウイルスとの戦いにも当てはまる。
彼は弁論術についても、ロゴス(論理)・パトス(感情)・エトス(倫理)の3要素がそろって初めて聞き手の腹に落ちると説く。ロゴスとは数字や論理で聞き手の頭脳に訴え、パトスとは表現法やストーリー性で聞き手のハートをつかみ、エトスとは話し手の道徳観や倫理意識の高さで聞き手の信頼を得ることだ。
米国人は今2人の好対照の指導者からコロナの最新情報のブリーフィングに耳を傾ける。一人が全米最多の感染者がいるニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事、もう一人が初動でコロナの脅威を軽視し名誉挽回に躍起のトランプ大統領である。
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週刊エコノミスト
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