国際・政治東奔政走

金正恩氏の「重体説」騒動に日本が本気で身構えた理由=及川正也

金正恩氏の「重体説」に真剣に向き合わざるを得ない事情があった(韓国・ソウルで4月21日)(Bloomberg)
金正恩氏の「重体説」に真剣に向き合わざるを得ない事情があった(韓国・ソウルで4月21日)(Bloomberg)

 新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない中、各国は自国の対応に追われ、外国に住む自国民の保護を除く外交に手が回らない状態が続いている。

 日本の外務省も新型コロナの感染が拡大した中国・武漢市からの邦人輸送作戦に合わせて、世界200以上の在外公館の外交官らが在留邦人の確認にあたった。ある外務省幹部は「アフリカの奥地で単身活動する人がいたり、世界を旅するバックパッカーの若者がいたりと、日本人の活動範囲の広さを改めて実感した」と語る。

 4月上旬、在外邦人の安全対策などを担当する水嶋光一領事局長の新型コロナ感染が明らかになった。邦人保護対策で水嶋氏と連日のように協議していた秋葉剛男外務事務次官は、首相官邸で定例化している毎夕の政府対策会議への出席を「自粛」し、一時は代わって森健良外務審議官が出席した。

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