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今度は「オバマゲート」 トランプ氏が頼る陰謀論=古本陽荘

訴追取り下げ後、トランプ氏は「オバマ政権の標的にされた」とフリン氏を擁護(Bloomberg)
訴追取り下げ後、トランプ氏は「オバマ政権の標的にされた」とフリン氏を擁護(Bloomberg)

 トランプ大統領が「オバマゲート」と名付けた陰謀論を掲げて、11月の大統領選で争う野党・民主党のバイデン前副大統領やオバマ前大統領の批判を繰り広げている。新型コロナウイルスへの対応が思うようにいかず、批判の矛先をかわす意図が透けて見える。

「私が議員だったら、米国史上最大の政治犯罪であり、スキャンダルについて、オバマ前大統領に議会証言を求めるだろう」。トランプ氏は5月14日、ツイッターへの投稿で、オバマ氏を議会招致するよう求めた。

「政治犯罪」とは、2016年大統領選でトランプ陣営とロシア政府が癒着していたとされた「ロシア疑惑」は潔白であったのみならず、オバマ政権がトランプ政権関係者にワナを仕掛けていたという説を意味する。その中心人物が、連邦捜査局(FBI)に虚偽の供述をした罪などに問われた元大統領補佐官(国家安全保障問題担当)のフリン被告だ。司法省は5月7日に突然、フリン被告の訴追を取り下げると発表した。

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