教養・歴史書評

歴史学的な見方の獲得へ 事例豊富な連続講義集=本村凌二

     47歳の甥(おい)の誕生日に図書カードを贈ったら、「若いころ歴史に無関心だったが、このごろ面白くて、歴史本を買う」というメールが届いた。人生半ばにして気づいたのだ。

     東京大学教養学部歴史学部会編『歴史学の思考法』(岩波書店、2000円)は若者向けに「歴史学的なものの見方・考え方」を身につけさせるという難題に挑む連続講義。

     第Ⅰ部「過去から/過去を思考する」では、まず「歴史の法則性」を問いかけ、例えば、欧州の中・近世期に飢饉(ききん)につながる小氷期気候が地球規模で起きた問題を投げかける。次に「過去の痕跡」をたどり、1872年に沖縄で沈没した英国船の水中考古学調査では、文字記録にある積載物(茶・砂糖・米)と実際の積載物はまったく一致しなかったことに注目する。最後に「歴史の時間」を問い、歴史上には多種多彩にして複雑な…

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