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中国全人代で異例の議案 香港に「国家安全法」の網 1国2制度へ募るいら立ち=遊川和郎

国家安全法に抗議する香港市民 (Bloomberg)
国家安全法に抗議する香港市民 (Bloomberg)

 例年より短い今年の中国の全国人民代表大会(全人代、期間5月22〜28日)で、虚を突いたように出てきたのが「香港版国家安全法」制定に関する議案である。返還前に制定された香港基本法では、香港政府が国家反逆など七つの行為を対象にした国家安全法を制定することを義務付けている。2003年に香港政府は成立を図ったが50万人デモで頓挫。その後は誰も手を付けられなくなり、導入しようとすれば昨年の逃亡犯条例の二の舞いになることは必至の状態だった。

 なぜこのタイミングなのか。昨年11月、米中貿易摩擦をめぐり米国の攻勢が強まる中、「香港人権・民主主義法」が米国で成立した。米国が香港情勢に介入できる体制を整える一方、中国は「1国2制度」の壁で香港に手出しできないいら立ちが募っていた。

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