教養・歴史書評

常識破りの問いを立て民主主義を考えつくす=ブレイディみかこ

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     外出制限が続く中、映画も見飽きたので、Youtubeにあがっているデヴィッド・グレーバーの講演動画を片っ端から見ていた。彼は「アナキスト」と呼ばれる思想の持ち主だが、ロンドンの超名門LSE(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)の人類学教授でもある。ブルシット・ジョブ(どうでもいい仕事)とケア階級の議論などは、まさにコロナ禍の社会を予見していたようだし、約10年前に書いた『負債論』で展開した貨幣論は昨年大きな話題になったMMT(現代貨幣理論)に通じ、この人の思想家としての「早さ」は特筆に値する。

     そのグレーバーが「民主主義」という、近年、多くの人々に失望を与えてきたテーマについて書いたのが『民主主義の非西洋起源について 「あいだ」の空間の民主主義』(片岡大右訳、以文社、2400円)だ。と言っても、あまたの「民主主義は終わった」論や、「民主主義と自由主義は両立不可能」みたいな、近年はやりの議論ではない。

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