舞台 新国立劇場 「願いがかなうぐつぐつカクテル」=濱田元子
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災害、環境破壊、疫病…… ファンタジーに込めた批評精神
世界中から愛されるドイツの児童文学作家、ミヒャエル・エンデ(1929~95年)。よく知られる長編『モモ』は、少女が時間泥棒から時間を取り戻す戦いを通して現代社会の効率主義を鋭く批判する作品だ。
ファンタジーの中で社会の問題をシニカルに浮かび上がらせ、意識の変化をめざしたエンデの精神は、この「願いがかなうぐつぐつカクテル」にも通底している。
演劇学校で学び、演劇活動をしていたエンデが89年に書いた自作を戯曲化し、翌年に初演された。ドイツで毎年のように上演されている、大人も子どもも楽しめる人気作品だ。
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週刊エコノミスト
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