ペルー 感染対策が守れない経済事情=設楽隆裕
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南米でブラジルに次いで2番目に新型コロナの感染者が多い国になってしまったペルーだが、対策が遅れたわけではない。初感染者発生の10日後には緊急事態宣言を発令し、陸空海河川すべての国境を封鎖。その後も、日中の外出規制と夜間の外出禁止令、生活必需産業以外の産業活動の停止など、矢継ぎ早に施策を発表している。
それでも感染者が多くなった背景には、ペルーの経済事情がある。ペルーの国民は多くが低い賃金の仕事に就いており、貧困にあえぐ人が多い。また、都市部と過疎地にも大きな格差がある。収入レベルで貧困と分別される層は、首都リマを中心とした沿岸部の都市では15%であるのに対して、内陸の山岳部やジャングルなどの過疎地は40%に上る。生きていくには、外出して違法就労をせざるをえないのだ。
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