映画 MOTHER マザー 実話超えた「怪物的」母親像 答えなき結末で人間の存在問う=勝田友巳
有料記事
2014年、埼玉県川口市で17歳の少年が祖父母を殺害して金品を強奪する事件が起きた。少年は母親と放浪生活をしており、殺害は母親の指示だったと報じられ、社会に大きな衝撃を与えた。この映画は、事件を元に、社会の外で育まれたいびつな母子関係を描く。監督は大森立嗣(たつし)。「日日是好日(にちにちこれこうじつ)」「タロウのバカ」など、振り幅の大きな問題作を手がけてきた。
秋子(長澤まさみ)は小学生の息子周平を連れて奔放な生活を送っていた。金がなくなると実家に無心に行く。ゲームセンターで出会ったホストの遼(阿部サダヲ)と意気投合すると、周平を置いて何日も家を空ける。遼は秋子と同居するようになり、秋子に言い寄る市役所職員を恐喝しようとして、過って刺してしまう。殺したと思い込んで3人はラブホテルを転々とするが、秋子の妊娠が分かると遼は姿を消した。やがて子どもが生まれ、…
残り832文字(全文1215文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める