教養・歴史書評

古典古代史全体を渉猟 名著が文庫本で復活=本村凌二

     人生のなかでは、想像もしなかった出来事に遭う。私事にわたるが、私はいわゆる東大受験生だった。ところが、1969年は、学園紛争のあおりで東京大学と東京教育大学の入学試験が中止になった。また、今年の初めごろ、誰が東京オリンピックの延期など想像できただろうか。

     村川堅太郎『オリンピア』(ちくま学芸文庫、1000円)が文庫化された。64年の東京オリンピック前に出版されたが、名著の誉れ高いばかりでなく、読みやすい教養書になっている。

     戦後10年余りたったところで、著者はオリンピアの遺跡を訪れている。選手の宿舎にあたるレオニダイオンは当時発掘中であったという。肝心のスタディオン(競技場)すら58年に発掘が完了したのだから、調査中の課題は少なくなかった。

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