国際・政治論壇・論調

入国後2週間の自主検疫 英国の水際作戦に強い反発=増谷栄一

ロンドンのヒースロー空港に到着したマスクをつけた乗客(Bloomberg)
ロンドンのヒースロー空港に到着したマスクをつけた乗客(Bloomberg)

 6月8日からイギリス連邦の中核を占めるイングランド地域を対象に、すべての空港や港を経由する海外からの入国者(英国民の帰国も含む)に対し、入国後2週間の自主検疫(2WQ)を義務化する新たな入国規制が導入された。中国湖北省武漢で昨年12月に発症した新型コロナウイルスのパンデミック(世界流行)の第2波の感染爆発を食い止めようとする、いわゆる「水際作戦」だ。しかし、この2WQ規制により、深刻な経済的打撃を受ける国内の航空会社やホテルなどは、直ちに規制撤廃を求める差し止め訴訟を起こした。

 英航空大手ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)など3社は政府に宛てた書簡で、「検疫規制は全く法的な正当性がなく、バランスを欠く不公平な政策だ」(6月7日付英紙『デイリー・テレグラフ』)と批判している。メイ前首相は6月3日、下院で、「政府はなぜ世界各国から英国を鎖国する代わりに、雇用を守り、英国を世界のビジネスに開かれた国としないのか」(英紙『ガーディアン』)と糾弾した。

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