ヘルスケア市場を拡大方針 日本の医薬品企業に商機=真家陽一
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「健康(ヘルスケア)産業を大いに発展させる」。5月28日に閉幕した中国の全国人民代表大会(全人代=国会)で政府活動報告(施政方針)が審議・採択され、その最終版にこの一文が盛り込まれた。背景には、医療費の増大がある。国連の推計では、中国では急速な高齢化が進み、65歳以上の高齢者人口が2035年には3億人近くに達し、55年には4億人を超える見込みである。
本格的な少子高齢化時代を迎える中、医療費などの支出を示す「衛生総費用」は18年は5兆9122億元(約90兆円)で前年比12・4%増加。統計でさかのぼれる1978年以降、過去最高となった。衛生総費用は対国内総生産(GDP)比6・4%の規模だが、ほとんどの先進国では医療費がGDPの約1割の規模であることを勘案すると、中国の医療費は今後さらに増える可能性が高い。
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週刊エコノミスト
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