教養・歴史書評

喜びや楽しみもあった イメージ変える新研究=井上寿一

 サンドラ・シャール『「女工哀史」を再考する』(京都大学学術出版会、6200円)は博士論文に基づく学術書であり、価格も高く、本欄で取り上げるべきか迷った。それでもふれないで済ませる気持ちにならず、思い切って紹介する。

 近代日本の女性労働者像を決定づけたのは、細井和喜蔵『女工哀史』(岩波文庫、1130円)だろう。過酷な労働環境のなかで働く製糸女工たちは、資本主義を告発しているかのようだった。

 ジェンダー研究の視点から近代日本の労働問題に知的関心を持った著者も、当初は女工の労働条件や生活状況の劣悪さを確認する目的で、70人の元女工に聞き取り調査を試みている。

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