独キャッシュレス決済大手が倒産 不正会計事件に発展か=熊谷徹
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ドイツのキャッシュレス決済サービス会社ワイヤーカードで、19億ユーロ(約2280億円)の預金が会計報告書に架空計上されていたことが判明し、同社は6月25日に倒産した。監督官庁がグローバルなフィンテック企業の不正会計を長年にわたり見抜けなかったことについて批判が強まっている。
ドイツの公共放送局ARDのニュース番組「ターゲスシャウ」は6月23日付サイトで「ワイヤーカードのブラウン社長は6月19日に辞任。その3日後にミュンヘン検察庁に出頭して帳簿偽造などの疑いで逮捕された。ワイヤーカードの資産の4分の1に相当する19億ユーロの預金は、フィリピンの二つの銀行の信託口座に保管されているはずだったが、調査の結果、初めから存在しなかった疑いが強まっている」と報じた。
ターゲスシャウによると、1999年創設のワイヤーカードはクレジットカードなどによる決済サービス企業として急成長し、2018年には最大手30社からなるドイツ株価指数(DAX)に名を連ねた。ターゲスシャウは「同社の株式時価総額は、過去10年間で10億ユーロから170億ユーロ(今年2月時点)に増加した」と報じている。
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週刊エコノミスト
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