教養・歴史書評

日本人の行動規範はいかにして形成されたか=今谷明

 新型コロナウイルスの世界的感染状況下、日本は強制的な都市封鎖(ロックダウン)も行わなかったのに、重症者・死亡者ともに欧米諸国よりケタ違いに少なかった。その理由として、集団免疫の形成やらBCG接種の効果など、専門家から諸説出されたが、注目されたのが、集団的自粛という日本人独特の行動であり、規範のあり方であった。

 島田裕巳著『大和魂のゆくえ』(インターナショナル新書、960円)は、宗教学者としての立場から、日本人の行動規範の背後にある伝統的な考えを「大和魂」「大和心」のあり方から特徴付けようとしたもので、本書末尾にも「ウイルスに対する現代社会の対応と、人々の反応」について言及している。

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