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教養・歴史 鎌田浩毅の役に立つ地学

「全球凍結」の大問題 過酷な環境下で進化した生命/14 

エディアカラ生物群の想像図 James St. John
エディアカラ生物群の想像図 James St. John

 地球の歴史では地表がまるまる凍りついた時代が何回かあった。前回紹介した「全球凍結」と呼ばれる事件だが、その間にも生命は絶えることなく現在まで継続している。

 ちなみに、生命とは自分の体を外界から隔離しながら維持し、かつ子孫を残す機能を持つもので、一定の安定した環境が必要となる。よって、全球凍結には生命はどこまで過酷な環境に適応できるか、という生物学上の大問題が含まれる。

 実は、全球凍結の時期にも、凍っていなかった海洋底のわずかな場所で生命は生き延びた。彼らは氷が溶けてふたたび海が戻ってきたとき、新天地で繁殖を始めた。彼らには天敵はおろか競争するものがほとんど皆無という状態だった。よって新世界の覇者となったのである。

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