教養・歴史書評

調和、公平、自立 時空をまたぐ哲学の旅へ=本村凌二

「思いに気をつけなさい、思いは言葉になります。言葉は行動になり、行動は習慣になり、習慣は性格になります。そして、性格は運命になります」とはマザーテレサの言葉らしい。人間の思いは歴史にどのような力をおよぼすのだろうか。

 ジュリアン・バジーニ『哲学の技法』(河出書房新社、2800円)の副題には「世界の見方を変える思想の歴史」とある。人々の運命の集結はいかなる歴史になるのか。

 太古は神話がなじみの時代であったが、前1000年紀が進むと、東地中海世界、インド、中国の異なる地域で、現代にも結びつく思想の源流が同時代に始まっている。これをめぐって、20世紀ドイツの哲学者カール・ヤスパースが「枢軸時代」とよんだことはつとに名高い。

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