噴火予知のメカニズム 安全に避難する“時間稼ぎ”/18
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日本列島では火山噴火が頻繁に起きるため、被害を最小限にくい止める目的で噴火予知の研究が進められている。マグマの噴出する「時間」と「場所」を予知するため、地下の状態がさまざまな手法で観測される。
噴火とはマグマが地下から地表へ噴き出すことである(図)。圧力の高まったマグマは、マグマの通路である火道(かどう)をゆっくり上昇する。火道を埋めている岩石をバリバリと割りながら上がる時に、地震が発生する(B)。噴火が近づくと、地震の起きる位置が浅くなる。
さらにマグマが地上へ向かう時に山体が膨張し(B)、噴火が始まる(C)。その後、マグマが下へもどる際には山が収縮する(D)。こうした膨張や収縮は極めてわずかなので、山体に設置された傾斜計で精密な測定を行う(A)。水平距離1万メートルにつき1ミリ上へ持ち上がる傾きを測定する、極めて精度の高い技術である。
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