経済・企業学者が斬る・視点争点

消費減税は民主主義後退させる=茂住政一郎

2019年10月の消費増税時も、負担感がクローズアップされた
2019年10月の消費増税時も、負担感がクローズアップされた

税で個人守るつながり深めよ

 消費税が政治的な論点になりつつある。一方では、第2次安倍政権発足とともに始まったとされる景気拡大が2018年10月に途絶えていたことが明らかとなり、その中での消費増税実施に対する批判、消費減税の主張が一部で力を持ちつつある。他方、政府税制調査会は、財政悪化の深刻化を懸念し、消費増税を中核に据える税制改正に言及した。

 消費税は、社会保障や地方の生活保障にとって重要な財源だ。現行の消費税(標準税率10%)は国税分(7・8%)と地方消費税分(2・2%)に分かれ、20年度の国・地方(都道府県)の税収の最大の割合を占める見込みだ。国税消費税率1・52%分は地方交付税の財源(20年度交付税財源の25・2%)で、地方の社会保障財源とされる。残りの国税分は、年金、医療、介護、子供・子育て支援の社会保障4経費に充てられる。他…

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