教養・歴史書評

豊かな想像力と時代考証 北宋の悲劇描く傑作漫画=加藤徹

 青木朋(とも)著『天上恋歌~金の皇女と火の薬師~(1)』(秋田書店、600円)は、歴史小説を超えた、新しい趣向の漫画作品だ。

 北宋の宣和(せんわ)5年(1123年)、徽宗(きそう)皇帝の治世。「辺境の蛮族の国」金(きん)国から、かわいらしい姫君が宋の都にやってくる。彼女の名はアイラ。女真(じょしん)族(満洲人の祖先)が建てた金の皇女である。

 アイラは、徽宗の第9皇子・康王(こうおう)との政略結婚のため、兄・ウジュに伴われ、初めて外国にきたのだった。彼女の目には、宋の都の文化や文明が、まぶしく見える。

残り676文字(全文929文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

6月13日号

電力が無料になる日 NTT、東電、トヨタが拓く未来14 NTT、東電、トヨタの共闘 捨てる再エネは「宝の山」■金山隆一18 インタビュー 森島龍太・電池サプライチェーン協議会業務執行理事「電池は国家のエネルギー戦略そのもの」19 電池のリユースは自動車業界の命綱■藤後精一20 EV電池の送電接続こそ [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事