週刊エコノミスト Onlineワイドインタビュー問答有用

高畑勲研究の第一人者=叶精二・映像研究家/810

「高畑さんは弁証法の人。一つのところにとどまらず、自作を真っ向から否定して、新しい作品に挑んだ」 撮影=中村琢磨
「高畑さんは弁証法の人。一つのところにとどまらず、自作を真っ向から否定して、新しい作品に挑んだ」 撮影=中村琢磨

 日本のアニメ界の巨匠、高畑勲さんが亡くなって2年あまり。新たな表現を追い求めたその才能に今なお魅了される叶精二さんは、残された資料の整理や発掘、評価の作業に生涯をかける覚悟だ。

(聞き手=加藤結花・編集部)(問答有用)

「一蓮托生でいい。稀有な才能を後世に伝えたい」

「遺品の資料は段ボール18箱分。見たことのないものばかりで一人で興奮してしまいました」

── 2018年4月に82歳で亡くなった世界的なアニメーション映画監督、高畑勲さんの軌跡を追った「高畑勲展〜日本のアニメーションに遺したもの」(前期8月1日〜9月8日、後期9月19〜27日)が、高畑氏が育った岡山県立美術館(岡山市)で開催されています。叶さんは展示アドバイザーと図録の執筆を担当しました。

叶 展覧会に使えそうな資料を検索・整理しました。高畑さんの家族が自宅で保管していた遺品を、高畑さんが設立に参加したスタジオジブリと、展覧会を企画した東京国立近代美術館に預けたので、その遺品を実際に見て、「これは貴重なので展示する価値があると思います」といった意見書のような形でまとめては送っていました。

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