教養・歴史アートな時間

舞台 エーシーオー沖縄「島口説(しまくどぅち)」 沖縄の過酷な現代史 スミ子の語りを通して=濱田元子

城間やよい(後)と知花小百合 
城間やよい(後)と知花小百合 

 第二次大戦末期、本土防衛の捨て石となった沖縄は熾烈(しれつ)な戦場となった。米軍の艦砲射撃で地形は変わり、県民の約4分の1が犠牲になったとされる。

〈わんにん、艦砲ぬ喰(く)えぬくしゃやびん。私も艦砲射撃の食い残したもの、沖縄戦の生き残りなんですよ〉

「島口説(しまくどぅち)」は素朴なウチナーグチ(沖縄言葉)で観光客に語りかける民謡居酒屋の女主人スミ子の波乱の半生を、泣き笑いでつづる作品だ。

 離島に生まれ育ったスミ子の夫となる朝栄との出会いのときめきや離島苦、無辜(むこ)の市民を巻き込んだ戦争の過酷、夫や息子の死の悲痛、米軍占領下での不条理な土地接収など、沖縄の戦中・戦後史が、スミ子の視点で鮮やかに浮かび上がっていく。

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