英、EUに協議打ち切り通告 FTA合意なしの離脱強まる=増谷栄一
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新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の陰に隠れ、存在感に乏しかった英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)協議が9月に入ってから、にわかに脚光を浴びた。
発端は英紙『フィナンシャル・タイムズ』が9月7日付で掲載したスクープ記事。ジョンソン英首相が7回にわたる自由貿易協定(FTA)の締結に向けた交渉が一向に進展しないことに業を煮やし、10月15日までに合意しなければ、現在の英・EU離脱の移行期間が終わる12月末以降、英国とEUはWTO(世界貿易機関)ルールに従って貿易を行う。つまりノートレードディール(FTA合意なし)でEUから正式に離脱するとEUに最後通牒(つうちょう)を突き付ける、と報じた。
さらに、ノートレードディールとなった場合に備え、英政府は昨年12月に合意した離脱協定の「北アイルランド・プロトコル(取り決め)」と共通の土俵を維持するという「LPF(対等な競争環境)」、特に企業向け国家補助金に関する取り決めを書き直した「国内市場法案」(IMB)を議会に提出するとも伝えた。
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週刊エコノミスト
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