財政の“優等生”ドイツもコロナ不況で赤字に転落=熊谷徹
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コロナ不況は、ドイツの国家財政に大きな影を落としつつある。
同国の日刊経済紙『ハンデルスブラット』は8月28日付電子版で「今年7月の所得税、法人税、付加価値税などの税収は、コロナ危機が起こる前の今年2月に比べて3%減った」と報じた。同紙は「連邦統計庁によると、今年3月、4月の税収は、2月に比べて2桁の減少率を示していた。減少率が1桁になったのは、商店やレストランの営業再開や、コロナ危機のために支払いを猶予されていた納税者たちが、税金を納めたため」と指摘する。
連邦財務省は今年の税収が去年に比べて815億ユーロ(9兆7800億円)減ると予想する。10%を上回る減少率は、リーマン・ショック後の2009年の不況の時よりも深刻だ。同国の税収が前年よりも減るのは、過去10年間で初めてとなる。
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週刊エコノミスト
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