国際・政治東奔政走

くすぶり続ける「年内解散」 急ピッチで進む大義探し=伊藤智永

    自民党内で高まる解散圧力に、自らのフリーハンドを確保しようと抵抗しているように見える(首相官邸で9月16日)(Bloomberg)
    自民党内で高まる解散圧力に、自らのフリーハンドを確保しようと抵抗しているように見える(首相官邸で9月16日)(Bloomberg)

     菅義偉首相は自民党総裁選中から、衆院解散観測を冷ます発言を繰り返した。「解散は新型コロナウイルス対策の専門家が、完全に下火になってきたということでなければなかなか難しいのではないか。それと、せっかく総裁に就任したのだから仕事をしたいなと思っている」。しかし、これは自民党内に高まる解散圧力にあおられながら、自らのフリーハンドを確保しようと精いっぱい抵抗している発言と考えた方がいい。年内解散の可能性は依然、くすぶり続ける。

     菅氏を支える自民党幹部たちは、こぞって前のめりだ。安倍前政権に対する世論の高評価を引き継ぎ、菅政権の内閣支持率は安倍政権の発足時も上回った。この勢いを衆院選に生かせば、「暫定」の前評判を払拭(ふっしょく)し、政権基盤は盤石になる。山口泰明党選対委員長ら菅氏の当選同期グループは総裁選中から「このまま総選挙へなだれ込むぞ」と鼻息が荒かった。新総裁が選出されるや森山裕国対委員長が「どこかで国民に信を問うことは大事だ」と思わせぶりに発言。二階俊博幹事長も新首相指名直後「首相が全体を見て決断すればいい。その環境を作っていく努力をしなければならない。党はいつ解散があっても対応できる」と自信たっぷりに語った。催促に近い。

     極め付きが麻生太郎副総理兼財務相だ。新内閣発足前日に記者会見で「来年夏の東京五輪を考えれば、早期解散を考えるべきだ」。まるで言いたい放題。首相の専権事項もあったものではない。

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