インド 不法臓器売買が横行か=中島敬二
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インドでは、新型コロナウイルスに感染しても、医療サービスを受けることができない人が多いが、仮に感染しても病院に行きたがらない人も多い。根底にあるのは「病院に行ったら臓器売買目的で殺されるかもしれない」という不信だ。実際、「不法臓器売買を行うマフィアが、政府の目が届かない地方で暗躍している」とのうわさは絶えない。
インドでは1994年に臓器移植法が制定され、不法臓器売買の取り締まりが厳しくなり、違反すると5~10年の懲役と200万~1000万ルピー(約290万~1440万円)の罰金を科せられることになったが、それ以前は、臓器目当ての殺人事件が度々報道された。臓器移植手術のために海外から訪れる人々も後を絶たなかった。その頃の記憶がインドの人々には根強く残っている。
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週刊エコノミスト
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