中国版「GoToトラベル」?広州で開催された旅行博覧会の盛況ぶりに見る中国の経済事情 国内旅行が回復しつつあるワケ
9月11~13日、広州市内で広東国際旅行産業博覧会が開催された。同博覧会は、2005年より開催されている中国国内でも有数の旅行博。旅行業者がビジネスパートナーを見つけるコーナーが設置されたほか、日本をはじめ各国や中国内の地方自治体などが観光資源を市民にアピールするブースが設けられた。毎年多くの人でにぎわうこのイベントだが、特に、中国の大手旅行会社が同博覧会用に作った特価の旅行ツアーを販売するコーナーでは、広州市民が長蛇の列をなした。
現在、中国からの出国は依然非常に難しいが、広州ではすでに多くの人が国内旅行を楽しんでいる。
広州市民の鄧さんは9月初旬に、雲南省へ旅行した。「年に数回海外旅行に行っていたが、今回が今年はじめての旅行。移動時にも面倒な健康検査はなく、思ったより手軽だった。これから、どんどん国内旅行に行きたい」と張り切る。若者は個人旅行が好きだが、シニア層は旅行社の企画する近距離旅行ツアーに参加する人が多い。
世界の中でもいち早く新型コロナウイルス流行を抑え込んだといわれる中国。広州の旅行博の盛況ぶりは、その回復の速さを物語っている。
(太田元子・広州在住ジャーナリスト)
(本誌初出 広州 旅行博覧会を開催=太田元子 20200929)