南アフリカ 薬局の広告に人種差別の抗議=平野光芳
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縮れてくすんだ髪の毛やパサパサのダメージヘアが、普通の細くまとまった髪に──。南アフリカの大手ドラッグストアチェーンが掲載したヘアケア商品の広告が、世論の猛反発を受けている。効能はともかく、採用されたモデルが、悪い髪は黒髪の黒人、良い髪は金髪の白人だったためだ。「人種差別的」との批判が瞬く間に広がり、全国各地の店舗前で激しい抗議活動が起きた。
1990年代まで続いた人種隔離政策アパルトヘイトで、髪質には象徴的な意味があった。肌の色だけで人種が判別できない場合に行われたのが「鉛筆テスト」。髪の毛の間に鉛筆を差し込み、それがスルスルと下に落ちてくれば白人、カールした髪に引っかかって落ちてこなければ有色人種とされ、特権階級と被差別者の境界線だったのだ。
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週刊エコノミスト
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