投票妨害の歴史も根深く 今も続く民主主義への戦い=井上祐介
大統領選挙まで残り1カ月を切った。今回の選挙では投票先をまだ決めていない浮動票は従来に比べて少なく、1割程度に過ぎないと言われている。そこで両陣営ともに支持率の拡大よりも自身の支持者の投票率の引き上げに注力している印象を受ける。
新型コロナウイルスの感染が収束しない中、多くの州では郵便投票の拡大を決めている。投票ルールは州ごとに決められている。郵便投票を実施する場合でも、全ての有権者に自動的に投票用紙を送付する州もあれば、事前に申請を必要とする州もある。投票期間や締め切り日も州によって異なる。また、今回初めて郵便投票を実施する州では、正確かつ迅速に集計するための適切なシステムや運用方法を備えていない可能性がある。
トランプ大統領は投票用紙の配布や有効性の判断に恣意(しい)性が介入する可能性を指摘する。自由で公平な選挙が実施され、国民がその結果を受け入れても、現職が敗れた場合には平和的な政権交代が実現するのかが問われている。
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週刊エコノミスト
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