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小説 高橋是清 第114話 直子=板谷敏彦

    (前号まで)

     韓国併合に慎重な伊藤博文は韓国独自の中央銀行設立を構想するが、桂首相ら併合派と対立、総督を辞任した伊藤はハルビン駅頭で朝鮮民族主義者の安重根に暗殺される。

     高橋是清の記録に彼の葉山の別荘が登場するのは明治31(1898)年の2月9日が最初である。

     これは日露戦争の6年前、横浜正金銀行副頭取として「外債発行調査の旅」に出る時だった。

     この時はいまだ一部未完成の葉山の別荘から出発して、逗子駅から官設鉄道に乗車し、大船駅で東海道線に乗り継いで神戸まで行っている。

    残り2499文字(全文2736文字)

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