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美術 特別展「桃山―天下人の100年」 信長、秀吉ら英雄割拠の時代 華麗で豪壮な名作が目白押し=石川健次

≪唐獅子図屏風≫狩野永徳筆 安土桃山時代・16世紀 東京・宮内庁三の丸尚蔵館蔵 後期(11月3日~同29日)展示
≪唐獅子図屏風≫狩野永徳筆 安土桃山時代・16世紀 東京・宮内庁三の丸尚蔵館蔵 後期(11月3日~同29日)展示

 威風堂々、豪壮華麗な桃山文化を代表する一点だろう。図版の作品だ。縦の長さは2メートル20センチを、横は4メートル50センチを超える。破格の大画面だ。「地と雲の間に境を設けずに連続して金箔(きんぱく)を」(本展図録)貼ることで、その平坦(へいたん)な画面から唐獅子が躍り出るように迫り来る印象を強調する一方、「左手前の岩と奥の崖だけを描いて」(同)唐獅子が歩む道を、地面を目に見える形に描き出してもいる。

 織田信長、豊臣秀吉と2人の天下人に寵愛(ちょうあい)された狩野永徳の力量を示す、日本美術史上屈指の傑作である。信長、秀吉が天下人として政治を執った時代を織豊時代、居城のあった地にちなんで安土桃山時代とも呼ぶ。この時代を中心に室町時代末から江戸時代初めにかけて花開いた「日本美術史上もっとも華麗で豪壮な文化」(同)と呼ばれる桃山文化がはぐくんだ美術の名作に本展は迫る。

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