教養・歴史アートな時間

映画 私たちの青春、台湾 ネガティブな側面も臆せず描く 民主化運動のドキュメンタリー=寺脇研

 新型コロナウイルス対応で、台湾に世界の注目が集まっている。初の女性元首・蔡英文総統のリーダーシップでウイルスを封じ込めた手際は「台湾モデル」と呼ばれている。

 これにはアメリカも中国も日本もEU(欧州連合)も、脱帽せざるを得まい。しかし、それらの国は台湾を国家として認めていないのだ。この映画が、中華圏を代表する映画賞で最優秀ドキュメンタリー映画賞を受賞した折、フー・ユー監督が涙を流しながら「いつか台湾が“真の独立した存在”として認められることが、台湾人として最大の願いだ」とスピーチした気持ちはよくわかる。

 しかし、その発言は中国から全否定された。これが現実なのだ。そのことを頭に置きながらこの映画を観ると、ここで青春時代を過ごす若者たちの思いがはっきりと伝わってくる。

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