小説 高橋是清 第116話 山本達雄=板谷敏彦
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日露戦争の資金調達の大役を終えた是清は第7代日本銀行総裁に就任した。大蔵大臣を兼務する桂首相と正貨危機対策の協議を始めるが、政権が変わるという。
明治44(1911)年、日露戦争と第一次世界大戦の間に位置するこの時期は、長州閥の桂太郎と政党の西園寺公望が反目しあい時に協力しあって交互に政権を担っていた、桂園時代とも呼ばれる時代の最中である。
是清が日本銀行総裁になったこの年の6月時点での政権は、第2次桂内閣だった。
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